Books: NHKスペシャル恐竜超世界2(2023)

 

子どもを通じて、改めて恐竜のことを勉強しています。当時の恐竜は現在は生きていないので、化石を発掘することで恐竜の生態を推測していくわけですが、恐竜が生きていた環境も、植物や地質の観点からも推測することもできます。「爬虫類」や「両生類」っぽいイメージを持たれがちですが、群れで行動したり、育児をしたり、卵を早く孵すために地熱を利用したりと、その生態はかなり高度に進化していたようです。行動学の観点からは、体サイズの大きな昆虫とも言えそうだなと個人的には思いました。ただ、内骨格なので、その意味では、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類の方に、体の構造は近かったはずです。

体サイズが大きくなるように進化し、世代の交代のスパンも当時の哺乳類や鳥類よりも短かったことがわかっており、それが隕石衝突や寒冷化への適応を難しくさせたのかもしれません。ティラノサウルスなど肉食の恐竜は草食の恐竜を餌にしていたため、牙が発達し、走るのも速く、ハンターとしてスペシャリストになったが故の融通が利かなさが、環境の変化では仇になったということだと思います。

ある時点で、恐竜が絶滅したのは事実だったとしても、隕石落下で一瞬で壊滅状態となったのかと疑問を呈する研究者がいるというのが、本書の要点です。隕石は北アメリカ付近に落下した可能性が高いとされます。そこから遠い、ゴンドワナ大陸南極大陸では何とか生き延びた個体がいるかもしれません。今までは北半球での化石発掘が多かったのですが、南半球での発掘が進むにつれて、北半球とは別種の恐竜が隆盛していた可能性も示唆されています。例えば、ゴンドワナ大陸では、白亜紀後期には、プエルタサウルス、マイプ、サルタサウルス、カルノタウルス、スピノサウルス、バジャタサウルス、マシアカサウルスなどです。

このように、研究が進むにつれて、当時の様子が色々とわかってきて、恐竜そのもののイメージもより明確になり、生態も明らかになり、当時の環境もわかってくることだろうと思います。

やがて、なぜ恐竜が絶命したのか、どのように絶滅して行ったのかといったことも明らかになってくると思います。