MONSTER / B’z (2006年)

MONSTER
★曲目
1. ALL-OUT ATTACK
2. SPLASH!
3. ゆるぎないものひとつ
4. 恋のサマーセッション
5. ケムリの世界
6. 衝動~MONSTER MiX~
7. 無言のPromise
8. MONSTER
9. ネテモサメテモ
10. Happy Birthday
11. ピエロ
12. 雨だれぶるーず
13. 明日また陽が昇るなら
14. OCEAN~2006 MiX~
★日本で一番好きなバンド(ユニット)は?と聞かれたたら、僕は必ず、“B’z”と答えると思います。「Risky」あたりから聞くようになって、アルバム「The 7th Blues」あたりで、その熱病はピークを迎えました。
ただ、“B’zが好きだ”ということは、例えば、“坂本龍一が好きだ“と答えることと、なにか違っているように思えます。それは、B’zが、(嫌でも耳に入ってくるくらい)身近で、有名(すぎる)で、良くも悪くも”大衆化“しているからかもしれません。なんだか、その”好きだ”の一言で自分の内面が曝け出されてしまうような感じがして、なかなか素直に言えません。変な言い方をすれば、恥ずかしい気がします。でも、ひっそりとアルバムが出るごとに聴きこみ、昔の曲も数え切れないくらいリピートしてきたと思います。
B’zの良さは色々ありますが、その一つが作曲・編曲の上手さですね。流行の曲調を取り入れるのが、上手だと思えます。悪い言い方をすれば、“パクリ”になってしまいます。“この曲どこかで聴いたような?”って曲もいくつかありますね。しかし、それは一部であって、ほとんどの曲は、うまいなぁっていつも感心させられます。日本人特有の“加工の上手さ”というものを感じます。作曲・編曲のコアである松本さんは、きっと器用な人なんだろうなぁって思います。それは、ソロアルバム「Rock n’ Roll Standard Club Band」という洋楽ハードロックのカバーアルバムを聴けば、一目瞭然です。なんで、ここまで完コピなの!?って思うくらいそのままです。そして、アルバムを通してのバランスもいいですね。聴き手を飽きさせない工夫も多いです。“売れ線“と、”ロックらしさ“をこんなにうまく混ぜ合わせられる人らも珍しいじゃないかなぁって思います。B'zの場合、詞は、稲葉さん、曲は松本さんとクレジットされていますが、実際は、作詞・作曲・編曲は、ほとんど役割分担はなく、ほぼ二人でやっていると言われます。それは、お互いのソロ作品の完成度の高さが物語っています。昔から、よく思っていたのですが、この二人、仕事と言えども、彼氏・彼女の仲以上のものがあるんだろうなぁって思っていました。こんなに長いこと一緒に仕事やれるってある意味すごいですね。
しかし、B’zは、アメリカやイギリスでは売れないような気がします。アメリカ人にB’zを聴かせてみると、多くの場合、Mr. Big、ガンズ、ヴァン・ヘイレンあたりのバンドに似ていると言われます。アメリカでは、ハードロックブームは、とおの昔に終わっています。
最近になって、B’zの二人は、自分たちは東洋人なんだということを強く意識し始めたと発言しています。深層部分からくるオリジナリティというものに目を向け始めたということだと思います。ロックの手法を基本にしつつも、その上に乗るのは、東洋らしさ、日本らしさ、すなわち、洋楽由来ではないものです。そもそも日本語というテンポの悪い言語を、英語とともに発展してきたロックに乗せること自体が、至難の技だったのではと思います。下手をすれば、何を言っているかわからなくなる、逆に、演歌調の、悪い意味で、モサイ歌い方にもなりかねない。
そのB’zの二人が、去年の6月に発表したアルバム「Monster」は、ある意味、彼らの集大成的な作品のように聴こえてきます。松本さんは、B'zの最高傑作であると語り、稲葉さんも自信作と語っています。“自由に演った“という印象を受けます。「The 7th Blues」あたりの自由奔放さと、「Brotherhood」あたりの骨太なバンド・セッション、前作「The Circle」の東洋的な音階、そして、そこに二人がそれぞれのソロで培ったアーティスティックな(本当の意味でのアーティストとしての)感性が盛り込まれています。1曲、1曲じっくりと聴いてみると、過去の焼き直しではなく、今までになかったような曲の作り方、演奏の仕方にもチャレンジしており、サッカーのカズや中山選手じゃないですけど、”元気があればなんでもできる!“って感じです。歳をとっても、”もっと上手くなるんじゃないか”って思いながらプレイしている精神がすごいですね。


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