★目次
第1章 バッハへの旅
青春の真ん中にドイツがあった
真冬の妖精たち
白いワイマールから
バッハの時間
同時代の空気
第2章 旅することの恵み
星から十字架へ
奇跡の幕が下りても
ヴァルトブルク城へ
正しいドイツ語
ルターと鯨の骨
第3章 音楽に導かれて
ワイマールの夕べ
すべては音楽である
若きバッハ
魂のリレー
大聖堂を満たす調べ
第4章 旅の終わり
ゲーテハウスにて
限られた日常の中で
教養の無限の広がり
音楽を捧げる
★茂木さんのドイツへの熱い想いがひしひしと感じられるエッセイです。読んでいるといてもたってもいられなくなります。いつもながらに読者を導くのが本当に上手だなと感心します。これは一種の万人に対する愛情なのかもしれません。読む人をほとんど限定していないんじゃないかと思います。
自分もドイツという国に妙に興味を持ったことがあり、ずっと行ってみたいと思いつつも未踏の地です。国内の京都ですら、予想をよく裏切られる場所がたくさんあるのですから、海外の国や都市となると、ほとんどのものやことに、いい意味で裏切られそうです。そう思うと、やはり、いてもたってもいられなくなります。
日本も中央集権的にメディアに支配されるのではなく、それぞれの場所で、与えられた条件の下で、限りない高みを目指すこともできるのではないでしょうか。