The Beatlesの思い出

ザ・ビートルズ 1962年~1966年(赤盤)(期間限定) ザ・ビートルズ 1967年~1970年(青盤)(期間限定)


2009年9月9日と9が三つも並びました。9を縁起の良い数字とする中国では今日は結婚式なんかのハレの儀式が多いとも聞きました。


僕も9月生まれだし、苗字に「く」がつくしと、とても「9」に愛着があります。小学生のころ、当時としては古い目の漫画が好きで、松本零士の「銀河鉄道999」や「潜水艦スーパー99」、石ノ森章太郎の「サイボーグ009」をはじめ、「9」がつくものが多かったような気がします。


9というのは、桁が上がる直前の不安定な数字に見えます。999なら1をたして1000にしたくなります。見ているだけで不安になる数字。それが9です。しかし、はじめから安定したきりのいい数字、例えば1000を見た場合、それがどうして999に1をたして1000になったなんて考えるでしょうか。現前する不安定な数字である999に人間が対峙した場合、頭の中で1を足すことが促されます。不完全から完全にしたいというような、ある種の観念が想起されます。


不安定な数字「9」。原罪を背負っているかのような不完全な存在。苦しみの「9」。一桁の数字の中では最高位の「9」。そんな「9」に魅力を感じてなりません。


こんな縁起のいい日(?)に何かいいことあったかと言えば、何もありませんでした。ただ一つだけ、「ザ・ビートルズ」のリマスター版が出たというニュースを聞いたのが、少しの救いでした。


そういえば、高校のときやっていたバンドでは、ビートルズのコピーばかりしていました。毎日毎日ビートルズばかり聴いていました。ジョン・レノンが作った曲と、ポール・マッカートニーの曲とを比べて、やっぱりジョンだなぁって変に共感を抱いていました。「僕はビートルズを死ぬまでに何回聴くのだろうか」とよく考えていました。


ベタですが、赤盤と青盤がお気に入りです。初期の頃(赤盤)のメンバーの身なりと後期の頃(青盤)の時のメンバーの雰囲気の違いが凄いですね。特にジョン・レノンの変わり様!これこそ「ロック」だと、当時から信じています。


何歳になっても、やはり人間は不安というものから抜け切れないのではと思います。自分が生きていること、存在していることに対する、抜きがたい不安があります。不安は「苦」であります。


音楽にもいろいろあるけれど、特に10代のころは、人類の中でも、ジョン・レノンをはじめ何人かのミュージシャンこそが、そういう不安と正面きって格闘している人たちに見えました。


「きっと僕は苦しみの数だけビートルズを聴くのだろう」