環境教育の関係の文献

環境教育に関係のありそうな文献を探しています。とりあえず自分の知っている中で、ぱっと浮かんだものを列挙します。


●1.藤井奈津子(2006)子ども時代における自然体験と精神の健康−ベルクソンの新たな解釈を通して−
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/43751


J・S・ミルが青年期に抑鬱状態に陥ったことを一つの問題として提起し、それに関して、教育の問題と関連づけながら<子ども時代における自然体験>と<精神の健康>との関係について明らかにしたものです。コアとなる思想としてベルクソンが援用されています。幼少期の原体験がなくとも、大人になってからでも失われたものを”取り戻せる”のかもしれないと感じさせられた論文です。
http://d.hatena.ne.jp/lalakoora/20091109#p1 (自分のブログ)


●2.上原 巌(2010年)ジョン・レノンが愛した森 夏目漱石が癒された森


対象を子どもに限定しないのであれば、ジョン・レノン夏目漱石など大人になってから精神的に不安定になった人が、このように森林に入っていき癒されるのいう効果は注目すべき点ではないだろうかと思いました。
http://d.hatena.ne.jp/lalakoora/20100507#p1 (自分のブログ)


●3.「ディープエコロジー」関係の書籍
鬼頭・福永編「環境倫理学」では、環境の問題を、自然的環境(持続可能性)、社会的環境(社会的公正)、精神的環境(存在の豊かさ)の3つの側面を全体としてとらえることが重要と述べられています。発想の原点は、ガタリの『三つのエコロジー』のようです。


これら3つを実現することが環境倫理学において重要な視点だとするなら、アルネ・ネスの提唱した「ディープエコロジー」の思想は、これらすべての視点を持ち合わせ、彼なりの回答を身をもって示していたのではないだろうかと思いました。


ただ、森岡氏が指摘するように、「自然」や「生命」を理想化しすぎて、自分自身の欲望に目隠しをしてしまう可能性は高いです。