Study: アートマン (Ātman)

アートマン (Ātman) 「我」

ヴェーダ聖典の最後にあらわれたウパニシャッドと呼ばれる一連の文献において、宇宙の最高原理はブラフマン(梵)と呼ばれました。そして、個人の中心主体である真実の自己アートマン(「我」と漢訳される)がブラフマンにほかならない(梵我一如)というのが、ウパニシャッド哲学の中心思想とされます。そして、ブラフマンまたはアートマンを知ることが解脱であると考えられていました。

しかし、この「知る」ことは、通常の認識とは異なり、どのように知るのかが問題でした。「我がブラフマンなり」、「汝それなり」という文が、ウパニシャッドの二大文章とされますが、「自分がそのまま絶対者ブラフマンにほかならない」、「あなたがそれ(絶対者)である」と、深い瞑想状態において直観すること、体得することであると思われます。

バガヴァッド・ギーター. 上村勝彦. 1992.

バガヴァッド・ギーターの世界ーヒンドゥ教の救済. 上村勝彦. 2007.