私の大学院時代のマインドは、村上春樹の世界と親和性があったように思います。小説に出て来るポップス、ジャズ、クラシックを大学の図書館で探し求めて聴いたり、ジャズバーやクラシック・コンサートに足を運んでみたり、料理にこってみたりと、結構モノマネをしていたように思います。
本書でも、クラシックレコードの紹介にかなりのページを割かれており、村上氏の着眼点というか感性は、浮世離れしているので、初心者にはすぐにはわからないのですが、そのうち、そういう意味だったのか、と気づく瞬間がやってくることもあります。
長編小説では、あんなに深い世界を書いているのに、生活は小綺麗で、ポップで、明るくて、ナチュラルな環境なんですね。こういう生活に憧れます。