「進化」シリーズの一部,「形態からみた進化」という巻では,養老孟司氏が「個体発生と系統発生」という文章を書いている.ヘッケルの「個体発生は,系統発生は繰り返す」という有名な仮説について触れるところから始まっている.
研究室でこの章を読んでいたら,ある人から「養老孟司は,構造主義だよね」と言われた.僕は,意外にもその言葉に驚いた.養老氏は,どこの本で「自分は構造主義だ」と言及しているのだろうと思ったからだ.僕の読んだ本の中ではそのような言及は見つかっていないからだ.いや,むしろ,養老氏は,あの人なりの考えがあって「ネオダーウィニズム」と真っ向から対立する姿勢を見せていないと思っていたからだ.「ネオダーウィニズムだ」とも「構造主義だ」とも,はっきり言わないところに養老氏の真摯さを感じていたのだが,どうなのだろうか.僕の読みが浅すぎるのか.ただ,ドーキンスの理論に対しては,「一言も信じられない」といったような言及は目立つが.
参考になるページがあったので,興味のある人は参照されたい.
- 作者: 柴谷篤弘,養老孟司,長野敬
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 1991/11
- メディア: 単行本
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