植物から食べ過ぎStop!信号(サイエンス・コラム)

昆虫と植物の関係の話を少し。


卵→(孵化)→幼虫→(蛹化)→蛹→(羽化)→成虫 という段階を経るものを完全変態といいます。チョウ、ハチ、ハエ、カブトムシなどがそうです。


一方、蛹を経ず、幼虫が直接成虫に変態することを不完全変態といいます。セミ、カマキリ、トンボ、バッタ、ゴキブリなどがそうです。


昆虫の中にも、チョウの幼虫、バッタの若虫などは、植物の葉っぱを食べて成長しているものが少なくありません。


ところで、植物の側からみてみると、昆虫にむしゃむしゃと食べられることは有り難いことでしょうか。葉っぱなどが齧られると、その分、光合成ができなくなりますから、食べられるだけ自分の生存能力や繁殖能力が奪われます。


植物も昆虫に食べられないように、種によっていろいろな防御策を講じています。サポニンアルカロイドと呼ばれる毒性の物質を分泌して、身を守る植物があります。また、中には、昆虫の変態を促進するエクジソンというホルモン物質を分泌し、昆虫を早く成長させて食べられる葉の量を減らし、被害を最小限に抑えるようにする植物もあります。