Film: ベルリン、僕らの革命(原題:Die fetten Jahre sind vorbei)

 

ベルリン、僕らの革命 [DVD]

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宗田理の「ぼくらの七日間戦争」を思い出させる内容でした。子どもにとっての敵は、大人、学校、親であるなら、リベラル革命を夢見る若者たちにとっての敵は、お金持ち、資本主義、不平等です。この映画の落とし所は、拉致したビジネスマンのプロフィールを聞き出していくうちに、その男がかつては自分たちよりもずっと本格的に学生運動に関わっていたという事実を目の当たりにするところです。振り上げた拳をどこに下ろせばいいのか、敵と思っていた対象が自分たちの現在と同じ立場であり、将来の姿かもしれないと悟った瞬間のやるせなさ、アンチテーゼをつきつける対象を失った虚しさ、そういったものが描かれていました。