Film: 美女と野獣

 

美女と野獣 (字幕版)

美女と野獣 (字幕版)

 

 TVでやっていたので、観ました。有名な映画なので説明は不要でしょう。この映画で一番印象的だったのは、野獣(王子)が、ベルのお城の図書室の書籍を全部プレゼントするシーンです。野獣(王子)は、すべて読み尽くして、頭に入っている様子です。かつての国王の英才教育で、実はインテリなんですね。

ベルと野獣は、対照的な面も多々ありますが、共通した面もいくつかあることに気がつきます。どちらとも幼い時に母を失くしたということです。王子はそれをきっかけに、性格が屈託していったようです。ベルは、母を黒死病で失くしたことを父がひた隠しにしてきたのですが、野獣の魔法の鏡を通じて知ります。

ベルの住む村は閉鎖的な村で、人間関係も固定化されており、本ばかり読むベルは変人扱いです。本を通じて新しく自由な世界を夢見るベルに、この映画は何らかのメッセージを託しているように思いました。

ベルの村のように、閉鎖的社会で採用されているルールや人間関係では、知らず識らずのうちに、上下関係、女性像、偏見・差別の温床になり得るということです。また、外部からの新しい知識や見方というものも受け入れにくい環境になっているおそれがあります。村だけではなく、かつての王子のお城でもそうだったようです。

固定観念にとらわれない。既存の概念から自由になる。というところにアメリカのディズニー映画の良さや人気の秘密がありそうです。