文脈

法事のためこの連休は実家に帰ってきています。当然、両親、弟妹とも話す機会が多くなります。この歳になってくると、色んな現実的な話が出てきます。親の老後のこと、実家のこと、親類との関係のこと、村のこと、色んな文脈があることに気付かされます。先日、勉強会で発表した世代間倫理の話が現実的なものとして立ち上がってきます。


このように自分が負う文脈が増えることを、「大人になり、世界が広くなった」というのでしょう。自分が接続する社会が広いにこしたことはありません。しかし、幼年期、少年期に感じていたある種の存在の不安のようなものが消えてしまったのかというと、そうだとは思えず、むしろ誤魔化されていくだけなのだと思います。


病院のベッドで独り寝たきりの母方の祖母と対面したときに、こみあげてくる感情はなんなのか。こらえきれず、こぼれる涙はなんなのだろうか。世の中の不条理に対する憤りなのだろうか。それもあるかもしれないけど、それだけではないような気もします。幼少期、青年期の思い出という文脈が流れています。