study

自己とは何か

免疫の研究で有名な多田富雄さんの問題意識は,”「自己」とは何か”であることは,どの著作を読んでも一貫して感じとることができるだろう.例えば,「免疫の意味論」においても最後の方の章で,「自己」の定義について言及されている.僕も「寄生者」を研究…

本筋へ

自分にとって環境問題も考えていかなければならない課題ではあるが,僕の本筋は,生理学,行動学である.関心を元のレールに戻らなければならない.また研究の傍ら読書をすると意外と,頭が整理されるので,また興味のある本を図書館で借りてきた.一字一句…

京都賞

今回の京都賞の基礎科学部門/生物科学(進化・行動・生態・環境)の受賞者は興味深い.サイモン・レヴィンという複雑系科学の人だ.先日,僕は持続不可能性という本を図書館で読んでみたところだった. http://www.inamori-f.or.jp/laureates/k21_b_simon/pr…

科学・技術と倫理

村上陽一郎さんの「科学の現在を問う」という本を読んでみた.第5章の「科学・技術と倫理」が興味深かった.といっても違和感を感じたわけではなく,よくまとまっているなと感じた. 自らの好奇心の赴くままに,俗界を離れて,ひたすらに真理を探究すること…

里やま勉強会

朝の10時から里やま勉強会だった.今回は,稲作水系の水生昆虫を中心にレヴューするということだったので,自分の研究にも関係があって有意義だった.生態学からみた里やまの自然と保護 (KS地球環境科学専門書)作者: 石井実,日本自然保護協会出版社/メーカー…

野外調査

毎週恒例の野外調査をしてきた.風がひんやりとしていて,もうすっかり秋だなと感じた.そろそろデータ解析していかないとな.

琵琶湖へ

友達とヒドラを採集するために琵琶湖の西部の湖西地区に行ってきた.京都で湖西線に乗り換えて,数十分のところだった.内湖を3箇所くらい周った.ウェーダーを着て採集をするのは初めてだったけど,意外と楽しかった.しかし,真夏にウェーダーを着ると非常…

第13回文献ニュース

今回は,イモムシが葉っぱを重ねあわせて作るシェルターが天敵に対して防御になっているかどうかに関する論文を読んだ.

形を読む

養老孟司の「形を読む」という本を読んだ.これは生物の形態に関して養老さんが色々と議論しているのだ.僕は分類学は専門ではないが,うちの研究室の半分弱は,昆虫分類学の研究者なので,決して関係のない分野ではなく,むしろ非常に関係がある.分類学の…

ディープエコロジーの紹介

里環境の会の環境倫理勉強会で,ディープエコロジーの紹介をした.決してスムーズに発表できたわけでもなく,質疑に上手く答えられたわけでもないけど,参加した学生同士が活発に議論ができたので,よかったかなと思う. 僕自身は,ディープエコロジーの考え…

夏休みお疲れ様会

今日,塾の講師らで夏休みのお疲れ会を開いた.やっぱり夏休み1ヶ月,それぞれの先生は,それぞれに科目を担当し,色々な生徒と接しているので,話題が絶えない.その中でも,生徒の質問として,マウスとラットとモルモットは,どう違うの!?というのが,個…

ダーウィンよりも前に進化について色々と考察を試みた人,ラマルク.今となっては,ラマルクの進化論,ラマルキズムと呼ばれるものは,否定的に扱われているが,ラマルク自身の問題意識に関しては,「動物哲学」という著作を読めば,どれくらい彼の思索が深…

習慣は「第二の自然」

先週の日曜日に参加した哲学カフェは,大阪大学の臨床哲学研究室の方々が主催しているのだけど,少しHPを見ていると,中には環境問題を研究している人もおられるということを知った.研究室の刊行物を見ると,僕にとっても興味深い論文があったので,いくつ…

滝畑ダム

今日は,自分の研究の野外調査を終わらせた後,友達と堺市よりも南東部にある河内長野市の滝畑湖畔へ行ってきた.滝畑湖畔には,合計48個もの滝があるらしい.小川の脇は,キャンプ場としても多くの人に利用されている.今回は,荒滝を観にいってみた.やは…

ファーブル昆虫記

岩波文庫からファーブル昆虫記が出ているのだが,全10巻となかなか圧巻だ.しかし,ハチのことを知りたければ,1巻から3巻あたりに集中して書かれているので,まずはその辺りを読めばいいのかも知れない. それとは別にファーブル昆虫記を読んでいて,いつも…

ちょっと忙しかったかな

今日もDコマに入った.中学生の理科を3人同時に教えた.慣れてきたせいか,何も支障がなかった.実は,来週火曜日に,英語を教えることになった.やっぱり英語をこつこつ予習しておいてよかったと思った. 帰ってきてから,留学生の人が英語論文を和訳したの…

第70回

2本読んで,第70回目の文献ニュースを提出した.1本は,性比の理論的な研究のもの.もう一つは,実は,ヒドラの再生に関する研究のものだったりする.ついつい読んじゃった.

タマムシツチスガリ

養老さんも虫オタクで有名だが,どの本を読んでも虫に関する知見が出てくる.「いちばん大事なこと」でもタマムシツチスガリの話が出てくる.この虫は,カリウドバチの1種で,あの光沢が綺麗なタマムシを餌としている.でも,なぜこのハチがわざわざタマムシ…

いちばん大事なこと

養老孟司さんの「いちばん大事なこと」を少しずつ読み始めた.冒頭から非常に共感できる.この人も「本音で語る人」なのだけど,決して嫌味な印象を受けたことがない.自己反省的な語り方が好きだ.本書は,いわば,養老版「環境論」なわけだけど, 人間の体…

結局

まとまらなかった.後期自主ゼミの方針.やっぱりうちの研究室は,一人一人研究分野が異なっているからな.野外調査系,室内実験系,遺伝子解析系など.実験・調査方法も大きく異なっている. 野外調査系の先輩は,「生態系とシミュレーション」という数理生…

どしゃ降りでも・・・

野外調査に出た.途中で通り雨にあってしまったけど,傘をさしながら採集を続行した.水田の畦畔で採集していると,野良犬2匹がすごく接近してきていてびっくりした.2匹ともずぶ濡れだったけど,なぜか楽しそうだった.でもなんで,近寄ってきたんだろう?

色々と

ディープ・エコロジーを紹介すれば,賛否両論が飛び交うのは必至だ.少し他の人の環境倫理観も勉強していこうかな.養老孟司さんや鬼頭秀一さんあたりの著作を.いちばん大事なこと ―養老教授の環境論 (集英社新書)作者: 養老孟司出版社/メーカー: 集英社発…

レジメ完成

環境倫理勉強会で発表する「ディープエコロジーについて」のレジメが完成した.次は,パワーポイントを作らないとな.

種とは

留学生の人とうどんを食べにいった.うどんを食べながら,「種についてどう考えるか」という議論をした.ご飯も美味しかったし,色々と考えさせられる貴重な時間だった.有難いことだな.

Insects As Natural Enemies

先日研究室の蔵書となったJervis著のこの本は,なかなか良い.GodfrayさんのParasitoidsは,理論的な解説が多かったが,本書は観察者(実験者)の立場に立って,材料や実験方法から丁寧に説明してある. この本を読んでいると,面白そうな論文をいくつか発見…

ディープエコロジーについて紹介

次回の里環境の会の環境倫理勉強会で,ディープエコロジーについて紹介することになった.ちょくちょく準備しなければな.

人が少ない

今日はお盆なので,研究室も人が少なかった.勉強しやすい.

後期自主ゼミ

後期の自主ゼミでは何をするかということを,それぞれの人が意見を出し合っている.今のところ,「昆虫,植物に関する博物学的な勉強」と「生物学一般に関する英語の教科書の輪読」が有力だ.僕としては,どっちもうまく両立させられたらなと思っている.

データ

昨日,今日と,4月から7月までの調査や実験のデータをまとめてみた.野外調査に関しては,今までよりもより計画的に行っているので,季節消長に関して,今まで以上に詳しいことが言えるのではないかと感じた.しかし,1年を通じて行わないとだめだし,来年も…

第12回文献ニュース

今回は,Godfrayさんらの論文をレヴューした.寄主と寄生バチの間で生じる抵抗性と対抗防御のトレードオフの問題だ.抵抗性と病原性の軍拡競走に関する問題は,世界中の人が注目している分野で,様々な生物において研究がなされている.日本では,九大の数理…