philosophy

クオリア

クオリアってなんだろうと思ってネットで調べたみた.どうやら認知科学,脳科学ではよく知られている概念のようだ.特に茂木健一郎さんという学者が頻繁に使っているような印象を受けた.簡単に言うと, 私たちが,意識にある状態で感じる様々な質感のこと.…

ある講義

午前中に,とある講義を受けさせてもらった.僕は今までに経験したことがない少人数制の講義であった.ベルクソンの「時間と自由」を輪読していく形式である.哲学を研究している院生がレヴューをした. 正直,僕がよくわかっていない専門用語が出てきていた…

現代社会と境界性

先日,古本で買った河合隼雄著「生と死の接点」を読んでみた.第3章の「現代社会と境界性」が非常に興味深かった. (「境界例」を),現代人の思考が,あまりにも明確に物事を区別して考えるのに対する,「自然」の側からの反撥,あるいは挑戦として受け止…

シリーズ・哲学のエッセンス

哲学のエッセンス・シリーズの「メルロ・ポンティ」が出ているようだ.メルロ=ポンティ―哲学者は詩人でありうるか? (シリーズ・哲学のエッセンス)作者: 熊野純彦出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2005/09メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回こ…

変化への対応

このブログのデザインを変えた.秋っぽいものにしようと思った.写真は南国の夕焼けっぽいね.格言も変えた.哲学者,デイヴィッド・ヒュームの言葉だ.科学哲学を勉強していると必ず出てくる結構手ごわい人だ. Habit may lead to us belief and expectatio…

玄侑宗久「禅的生活」を読んだ.玄侑宗久という人は,「中陰の花」という小説で芥川賞を受けた人だ.僕も以前にその小説を読んでいたので,古本やさんで名前を見つけたときに買ってみたのだ.本書では,東洋の哲学ばかりでなく,西洋哲学に関する知見も多く…

科学・技術と倫理

村上陽一郎さんの「科学の現在を問う」という本を読んでみた.第5章の「科学・技術と倫理」が興味深かった.といっても違和感を感じたわけではなく,よくまとまっているなと感じた. 自らの好奇心の赴くままに,俗界を離れて,ひたすらに真理を探究すること…

9月はこれで終わり

哲学研究会も9月は今日で終了だった.次は10月からまた再開することになった.それにしても哲学研究会の人達からは色々と教えてもらっていると思う.本当によかったな.

ベルクソン研究者

今日の哲学研究会には阪大でベルクソンについて研究している人が,見学にこられた.もちろんベルクソンの著作はしっかり読まれているので,「試論」以外にも「創造的進化」や「物質と記憶」や「道徳と宗教の二源泉」についても少し概要を教えてもらえた.

バイトは週1回の火曜日,もう一つ輪読会

夏休みも終わったので,9月からまた火曜日だけに入ることにした.週に1回だけなんて大した収入にはならないのだけど,生徒と接することが好きだし,色々と勉強させてもらえる場所だし,細々とでも塾講師は続けて行きたい. 一方で,哲学研究の友達と上記の河…

ディープエコロジーの紹介

里環境の会の環境倫理勉強会で,ディープエコロジーの紹介をした.決してスムーズに発表できたわけでもなく,質疑に上手く答えられたわけでもないけど,参加した学生同士が活発に議論ができたので,よかったかなと思う. 僕自身は,ディープエコロジーの考え…

読みたい本

読んでみたいなと思う哲学関係の本がある. クリプキ「名指しと必然性-様相の形而上学と心身問題」 クリプキ「ウィトゲンシュタインのパラドックス-規則・私的言語・他人の心」 ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」 河本英夫「精神医学-複雑系の科学と現代…

ダーウィンよりも前に進化について色々と考察を試みた人,ラマルク.今となっては,ラマルクの進化論,ラマルキズムと呼ばれるものは,否定的に扱われているが,ラマルク自身の問題意識に関しては,「動物哲学」という著作を読めば,どれくらい彼の思索が深…

習慣は「第二の自然」

先週の日曜日に参加した哲学カフェは,大阪大学の臨床哲学研究室の方々が主催しているのだけど,少しHPを見ていると,中には環境問題を研究している人もおられるということを知った.研究室の刊行物を見ると,僕にとっても興味深い論文があったので,いくつ…

滝畑ダム

今日は,自分の研究の野外調査を終わらせた後,友達と堺市よりも南東部にある河内長野市の滝畑湖畔へ行ってきた.滝畑湖畔には,合計48個もの滝があるらしい.小川の脇は,キャンプ場としても多くの人に利用されている.今回は,荒滝を観にいってみた.やは…

自分にとって「哲学」とは「余裕を持つこと」

「今まで読んだ中で一番感銘を受けた哲学者,もしくは,哲学書は何?」と聞かれると,意外と返事に困ってしまうのが,僕の本音だ.理解したとは決して言わないが,ハイデガー,フッサール,ベルクソン,デカルト,カント,ドゥルーズ,サルトル,レヴィ・ス…

哲学カフェ

今日は,神戸の王子公園まで「哲学カフェ」というものに参加してきた.「ひとの迷惑にならなければ何をしてもいいのか?」というテーマに基づいて,自由に会話していく形式であった.結構若い人たちが来ているのかと思ったけど,比較的年齢層が高かった.し…

パワーポイント完成

環境倫理勉強会の発表用のスライドが完成した.次は,スムーズに発表できるように頭を整理しておこう.そして,やはり議論しやすいように問題提起型の発表形式をとりたいと思う.

ハイデガーの「存在と時間」とともに

多分,ハイデガーの「存在と時間」に興味を持ち始めたのは,去年の今頃だったと思う.それから一年間,色々な著者の本を読んできた.今年の6月くらいから,生命の哲学研究会で,「とは何か?」,「について考えるとは何か?」といった命題に向かって,哲学研…

いちばん大事なこと

養老孟司さんの「いちばん大事なこと」を少しずつ読み始めた.冒頭から非常に共感できる.この人も「本音で語る人」なのだけど,決して嫌味な印象を受けたことがない.自己反省的な語り方が好きだ.本書は,いわば,養老版「環境論」なわけだけど, 人間の体…

カフェで語り合った

今日は哲学研究会の日だったけど,先週と同じく二人だけだったので,今回はテクストを進めずに,カフェで気さくに哲学について語り合った.「何か得られた」というわけではないのだけど,楽しかった.この間,研究室の後輩に,「哲学をして何か得したことが…

春の数えかた

日高敏隆著の「春の数えかた」というエッセイ集を知ったのは2,3年前ではあるが,今改めて読むと,買ったばかりの頃の印象とは多少異なっている.特に,「人里とエコトーン」というエッセイは非常に新鮮に感じられた.日高さんは,人里とは,人間のロジック…

パスカル

そして,名言も変えた.パスカルの名言だ. The heart has its reasons which Reasons connot know. 心の中には,理性に計り知れない理が存在する. - Blaise Pascal (French philosopher and mathematician, 1623-62) どんな人間の感情も,それぞれ心の中に…

岩波哲学・思想事典

前から欲しかった「岩波哲学・思想事典」の古本を買った.定価1万4千円のところを,9千円で買った.古本と言えども,非常に綺麗で,ほぼ新品だったので嬉しかった.これからどんどん活用していこうと思う. 新しい書籍を購入する代償として,最近は買ったけ…

二人でディスカッション

今日の哲学研究会は二人だけだった.今日は,レポートやらバイトやら非常勤講師の仕事やらでみんな欠席していた.二人であっても一人であっても議論はできるので,小ぢんまりと輪読会を開いた. 『自我の側には継起が,自我の外部には相互外在性がある』とい…

早速

昨日,早速「現代思想」誌の2001年10月号を買ってきた.オートポイエーシスの源流という特集を目当てに買った.ヴァレラの「生物学的自律性の諸原理」という記事は,まだ全部読めていないが,読み応えがありそうだ. われわれがそれを生きていると性格づける…

「現代思想」誌

青土社から毎月出版されている「現代思想」という雑誌は,ジャンルという枠組みに捕らわれず,様々な分野の研究に携わっている学者が,設定されたテーマについての試論を公表している,ある意味では最先端の雑誌だ.バックナンバーなどを見てみると,結構,…

哲学と科学の共通点

昨日は,オートポイエーシスを研究している友達と長い時間話をした.僕からすれば,彼は科学者であり,哲学者である.「自分の世界を持った人」でもある.彼の論文も見せてもらい,色々と話をした. 彼と議論すると,いかに僕が形から入っているかを痛感させ…

何が主体!?

今日は論文を2本読んだ.寄生バチ関係のものだけど,一つはポリドナウイルスのものだ.寄生バチの場合,寄主の免疫反応を回避するために卵巣内に共生しているポリドナウイルスや毒液が必要とされている.しかし,何が主体なのか?と考えてみると,寄生バチか…

超越論的感性論

カントの超越論的感性論では,もし,人間がそもそも存在しないのなら,<空間>はいわば,無であると述べられる.<時間>に関しても,人間の側にあるとされる.時間・空間は,ものそのものが成立するための条件ではなく,ものについての人間の認識が成立す…